リコーイメージングの公式YouTubeに、ある動画がアップされました。
『PENTAX STATEMENT 私たちが私たちであるための、5つの決意』
PENTAXがこれからの物作りで何を大切にしていくか、その方向性を指し示す内容の動画です。
結論、「PENTAXは光学ファインダー製品を作り続け、ミラーレスの波には乗らない」という宣言のように感じられました。
果たして、PENTAXはどこへ行くのでしょうか。
時代は「ミラーレス」
皆さんも周知の事実だと思いますが、
カメラ界は今、圧倒的「ミラーレス時代」となっています。
SONYを筆頭に、Canon、Nikonが続いた大手カメラメーカーの「ミラーレス合戦」は熾烈を極め、もはやミラーレスであることがカメラの常識となりつつあります。
ミラーレス機のメリットは、
・EVFでボケや色味など、仕上がりイメージを確認しながら撮影出来る
・ミラーショックが無く、ブレが無い
などが上げられます。
また、市場がミラーレス機中心で進んでいる事もあり、新製品の開発も盛んです。
PENTAXが光学ファインダーの一眼レフにこだわる理由とは
そんなミラーレス全盛のカメラ界において、光学ファインダーを貫く姿勢を取った「PENTAX」。
これから先、どんな未来が待ち受けているのでしょうか。
米国の経営学者レオン・メギンソンは、ダーウィンの進化論を元に解釈したこんな言葉を論文中に記しています。
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』
様々なビジネス書に記載されているこのフレーズはあまりにも有名ですよね。
あなたもどこかでこの言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
時代が完全にミラーレスの波に乗っている今、光学ファインダーに拘るPENTAXの姿勢は「変化出来る者」には当てはまりません。
今までのやりかたを貫く頑固な職人のような姿勢は、変化の激しいこれからの時代を生き残れるのでしょうか。
リコーイメージングは動画の中で、このように言っています。
・ファインダーを覗き、ピントを合わせてシャッターを切る。一眼レフの撮る快感に代わるものは無い。
ミラーレス機のEVF液晶と違い、光学ファインダーを使用したOVF独自の「目で見た現実の風景を撮る」という事を何よりも重要視しているという事が伝わってきます。
光学ファインダーの一眼レフがミラーレス機よりも全てにおいて劣っているかといえば、必ずしもそうではない事は皆さんもご存知の通りでしょう。
むしろ、他メーカーがミラーレスに以降したことで、PENTAXは唯一の光学ファインダー一眼のブランドとして独自のシェアを握ることが出来るかもしれません。
ミラーレス機が100%全てにおいて光学ファインダーの一眼レフを凌駕する存在になるその日までは、その存在感が色褪せる事はないでしょう。
「ニッチャー企業」としての生き残り戦略
PENTAXは他メーカーとは違った、独自の機能や戦略を持って生き残って来たブランドです。
PENTAXは経営資源力や開発速度などの規模感は小さいですが、
確かな技術を持ち、独創的なアイデアを製品として形にしてきました。
カスタムイメージやアストロトレーサーが代表的な機能として上げられます。
資金力が小さく、企業体力の無いPENTAXは、他のメーカーの後追いをするのではなく、ユニークな製品、サービスを提供することが生き残りの鍵となる「ニッチャー企業」の典型です。
ニッチャーは、比較的に規模が小さい企業が生き残っていくためのポジショニングとして非常に合理的な戦略であると言えます。
そんなPENTAXがミラーレス時代の波に乗らないのは、ある意味当然の事なのかもしれません。
コアなファンを取り込み、細く深くユーザーと関わっていきたいという思想が伺えます。
PENTAXのこれからを信じるか
昭和の名監督、小津安二郎は、
『どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う。』
という言葉を残しています。
PENTAXは自社の信念に従い、これからの道を選びました。
ユーザーである私達も、自分の中にある信念に従ってこれからの進むべき方向を決めなければなりません。
PENTAXは光学ファインダーと心中する先のないブランドなのか
独自路線を進むことで新たな未来を創造する企業となるか
選ぶのはユーザーである私達自身です。
いかがでしたでしょうか。
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